Paid Memberships Pro(PMPro)でメンバーシップサイトを運用していると、
「今月だけ無料」「今月末まで無料で、翌月から課金」
といったキャンペーンをやりたいことがあります。
実際に私も、
「11月は無料。12月1日から一斉に課金する」
というキャンペーンを実施したかったのですが、PMProの仕様で思い通りにいかない部分があったため、公式サポートに問い合わせました。
この記事では、そのやり取りを分かりやすくまとめています。
■ 相談した内容
私がしたかった設定は次のとおりです。
- 11月に入会した人は 全員11月末まで無料
- 課金開始は 加入日に関係なく12月1日
- 「初月無料」ではなく、「今月無料」にしたい
ただし PMPro のディスカウントコードは
「加入日から1ヶ月無料(=初月無料)」という仕組みのため、
11月に入会日が違うと、課金開始日もバラバラになります。
そこで PMPro に次の質問を行いました。
■ PMPro サポートに質問した内容(要約)
- PMPro から次回請求日を変更できますか?
それとも Stripe 側で調整する必要がありますか? - Stripe 側で請求日を変更した場合、PMPro は正しく同期されますか?
- 「今月だけ無料」「11月末まで無料」など、月ベースの無料期間を設定できるクーポンは PMPro で作れますか?
■ サポートの回答
サポート担当の Mary さんから返ってきた回答は以下のとおりです。
✔ Stripe 側で請求日を変更できる
→ PMPro では変更できない
→ Stripe で「次回請求日」を編集して調整可能
さらに、
✔ Stripe で変更したら、PMPro 側は「Sync with Gateway」で同期すれば反映される
ということでした。
■ 本題:「今月だけ無料クーポン」は作れるのか?
結論:PMProの標準機能では不可
PMPro のディスカウントコードは:
- メンバーの「加入日」基準
- 支払いプランを丸ごと上書きする仕組み
のため、
✖ 「11月末まで無料」
✖ 「加入日に関係なく12/1に課金」
✖ 「月末締めの無料期間」
といった 暦(月)ベース の無料設定はできません。
サポートからの説明:
PMPro discount codes completely override the payment and billing plans.
You cannot give one month free while the subscription continues running in the background.
■ じゃあどうすれば実現できる?
サポートが提示してくれた方法は次の2つ。
方法①:Subscriptions Delay Add On を使う(有料版が必要)
PMPro にある「Subscriptions Delay」というアドオンを使うと:
- メンバーの課金開始日を遅らせる
- 12月1日課金開始のように固定日設定ができる
さらに、ディスカウントコードで 最初の30日間無料 に設定しておけば、
→ 実質「11月無料、12月1日一斉課金」に近い動作が可能。
※ただし注意点:
このクーポンを同じレベルの既存メンバーが使うと、
現在のプランが完全に上書きされるので注意。
方法②:Stripe 側で次回請求日を手動変更する(実務ではこれが早い)
- Stripe で該当メンバーのサブスクリプションを開く
- Trial end または Billing cycle anchor を編集
- 次回請求日を 12月1日 に設定
これが一番確実で柔軟。
その後 PMPro の管理画面で
Sync with Gateway を押せば同期できます。
■ 私の結論(実務ベースで)
- PMPro単体では「月末まで無料」キャンペーンはできない
- Subscriptions Delay Add On を使えば近いことは可能(有料版が必要)
- ただし既存メンバーに影響するので注意
- 現実的には Stripeで次回請求日を調整 するのが一番安全
というのが今回分かったことです。
■ まとめ
| やりたいこと | PMPro標準 | 対応方法 |
|---|---|---|
| 11月末まで無料 | ✖ できない | Delay Add On or Stripe編集 |
| 加入日に関係なく12/1課金 | ✖ | Delay Add On or Stripe編集 |
| 初月無料 | ◎ 標準機能 | クーポン |
| フレキシブルな無料期間 | △ | Stripeのtrial設定 |
もしあなたも PMPro で
「月末まで無料」キャンペーンをやりたいなら、
✔ Subscriptions Delay Add On を使う
✔ Stripe で次回請求日を直接手動で設定する
(最も安全で柔軟)
という方法がおすすめです。